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       ◆◆ もしもあなたに世界が救えるなら ◆◆ 
                                    
             〜自分を愛する心理学〜       第25回
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 2014年4月19日
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いつもありがとうございます。
心理カウンセラーの近藤あきとしです。

2014年2月11日に開催されました、東京カウンセラーズ・フェスタで
講演させていただいた『最高の恋愛は最高の癒し(ヒーリング)』の内容を
5回(4月17日〜21日)にわたってお送りしたいと思います。

今回が第3回になります。
第1回第2回

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 Aさんは思春期になってからも自分に自信が持てず、友達をつくることができなくていつも一人でいました。
学校からの帰り道に寄り道したり、誰かと遊びに行くこともなく毎日まっすぐに家に帰っていたのです。

寂しがりのお母さんを一人にしておけない気持ちと、友達と楽しく遊んでいたことを知られたら、後で何をされるか分からない恐怖と、彼女の心はその二つの感情の葛藤にも苦しんでいました。

そんな状況だっただけに、恋愛したいなんて考えることもできなかったそうです。

とはいえ年頃ですから、好きな男の子ができることもありました。
ただ、Aさんは遠くから憧れていることが精一杯で、学生の頃は片想いばかりしていたそうです。

恋愛ができない理由はもう1つあって、彼女は愛されることがとても怖いと感じていたんです。

愛情を示す行為といえば、お母さんがAさんに対してしてきたような、常に相手を支配するか、自分が支配されて相手に振り回されるかという、
「取り込むか、取り込まれるか」
の関係しか思い描けなかったんです。

好きな人に愛されることはお母さんとの関係を、再び繰り返すことのように感じてしまっていたのでした。
だから一方的に憧れていることが、Aさんにとっては安全な場所にい続けられることになっていたんですね。

自分の気持ちを伝えることも、自分の意見を言うことも、自分本来の感情を表現することもいけないことのように感じて、
「私自身のことなんて絶対に外に出せない、人に知られたくない」
ずっとそう思いながら、本当の自分は心の中の「秘密の押入れ」の奥へしまい込んでいたのです。


成人したAさんは芸術関係の仕事について頑張っているうちに、次第に周りから認められる立場になっていきました。
一人暮らしもして、なんとか独り立ちしているように見えましたが、アパートは実家のすぐ近くでないと許されなかったのです。

しょっちゅうお母さんが来て掃除をして、料理を作って置いて行ったり、アレコレと指示を書いたメモを置いて行ったりと、実家にいるのと関係はあまり変わってはいませんでした。

「自分のことは自分でできるから、私のことは放っておいて欲しいの」
とAさんから伝えたこともありましたが、
「あなたの為に行っているのよ」と言われたり
「もう年だし体が弱って、いつまで元気でいられるか…」
と、お母さんが情に訴えるような言い方をしてきて、なかなかAさんも強く言うことが出来なかったのです。

「これも愛情の裏返しなのかな?…」と思うと、
それを拒否する自分が悪いことをしているような気にさえなることもありました。

結婚に関しても女の子らしい憧れはあったものの、両親の姿を間近で見てきただけに、あまり良いイメージは持てず、自分には縁がないのかな?と思うようにしていました。
また仕事に生きようと思うことで、あまり関心を持たないようにしてきた部分もあったそうです。

結婚して子供を産むことがあまりポジティブには捉えられないことも理由の一つでした。
「もし私が母親になったら、今度は子供にお母さんと同じコトをしてしまうかもしれない」
そう思うと、子供は作りたくないなと思春期になる頃には既に決めていたそうです。

それでも何度か恋をして、彼が出来ることもあったのですが、やっぱり愛されることが怖い気持ちはなかなか拭えませんでした。
素直になれないことで上手くいかない恋愛ばかりをしていました。

そのうちに、パートナーや奥さんのいる男性を好きになってばかりいる自分に気づいたそうです。
当時のAさんにはその理由は検討もつかないし、気にしてもどうにもならないと思ってしまうくらい、恋愛への希望を失っていたのでした。

◇:----:◇:----:◇

このAさんの家のようにお父さんの存在感があまり無かったり、仕事が忙しくあまり家庭を顧みないタイプだとすると、お母さんは一人で子どもを背負って育てなければいけなくなります。

その重圧はとてもきつく、一人で耐えることは本当にしんどいモノです。
例えば、子どもが急に病気になったり、アクシデントが起きた時、直ぐにはどうしたらいいのか分からない時も、お母さん一人だけで何とかしなければいけないという状況が出てきます。

育児の負担がお母さん一人にかかってきて、
「私が一人で何とかしなければ」
という思いはどうしても強くなります。

さらに、お母さんのお母さん(お祖母ちゃん)との仲が上手くいっていない場合には、家に自分以外の誰かがいても、一人で何とかする他無いとの思いがさらに強まっていきます。
そして助けてくれない夫(お父さん)に対する不満が溜まる一方になってしまうんですね。

すると、お母さんが抱えきれないネガティブな感情のすべてが子供の方に向くようになります。

言わば子供が感情の処理の手段になってしまうんですね。
そこにしか感情のはけ口が無い状況になってしまうのです。

だから、学校から帰ってきた子供を横に置いて長々とお父さんの愚痴を言ってみることや、また子供の行動に細かく口出しすることなどで、ブレそうになる自分の存在意義を確認してしまうのです。

またお母さん自身の子供時代が非常に厳しい環境だった場合には(裕福でない・支配が強い親の元で育った・家の中が荒れていたなど)、自分の子供が生まれてからは、逆に子供に甘えて依存することもあるのです。

“子供の子供”というポジションに入って、子供らしく過ごせなかった時代を取り戻そうとするんですね。
それが過干渉へと繋がることもあるのです。(干渉しようとする裏では、子供に対してかまってほしいという欲求が強くなります)


そうすると、子供は「お母さんのお母さん役」を幼い頃から強いられることになり、お母さんと同様に子供時代に子供らしく出来なくなってしまうんです。

本当であれば子供らしくいられるはずの多くの時間を、親のために費やすことになるのです。

・自分には時間は無いという思い込みに囚われて、なぜかいつも時間がない感覚がある、理由もなく焦る気持ちが止められない。

・出来ていることよりも出来ていないこと(子供だから当たり前なのですが)を突きつけられて、自尊心を挫かれ自分を大切にする気持ちが持てない。

・大きすぎる期待をかけられて、失敗すれば「お前はバカだ」と吐き捨てるように存在すべてを否定されてしまい、“白か黒か“的な“オール オア ナッシング”な見方で判断して自分も他人も裁いてしまう。

癒着がテーマでカウンセリングをしていると「飴とムチ」の「ムチ」しかなかったと言われる方もいます。

お母さんが酷い言葉・態度なのは「自分が悪い」から仕方ない、とか「自分のせいで」お母さんが寂しがっているんだと、子供だったら思い込んでしまうこともあるでしょう。
そして、その思い込みを当たり前として受け入れてしまうと、なかなか問題として意識に上がってこない場合も多いのです。

仮に直接殴られたことはなくても、心を殴られ続けては虐待と同じことを受けているのかもしれない、カウンセリングの場では、そう感じざるを得ないこともしばしばあります。


ただ、それでも子供は親の寂しさを自分が何とかしてあげたいと思うものです。
お母さんがお父さんに冷たくされていて、寂しそうにしているのを子供は見ているし、分かっているんですね。

お母さんが一人で家を守り、子供を育てることの不安と不満を感じていることにも気づいてたりします。

だから「私がお母さんを助けたい」という思いを胸の奥に抱えながら、一生懸命「良い子」になろうとするのです。


この葛藤が「癒着」という関係の根深さを表しているように私には感じられます。
子供が親を思う気持ちは正真正銘の愛ですが、子供が自分の身を親の前に投げ出して「私のことはイイから、お母さんが助かればいいの」となっては、どちらも救われないでしょう。

また、お母さん自身にも「自分は良き母親・良き妻ではない」という(無意識的な)自信の無さはあります。
そして「きっと私は子供には好かれていないだろう」という思い込みをどこかに持っていたりします。
その気持ちが心に壁を作ってしまうので、子供からの愛はなかなか届かなくなってしまいますし、同時にお母さんも受け取れなくなってしまうのです。

「癒着」を切り離して本当の自分の人生を生きる為に、まずできる事は、
・癒着状態になっていることに気づくこと。
・そして自分はどんな思い込みを抱えていたのだろうと振り返ってみること。
・できれば専門家などの第3者に協力してもらうこと。
などになります。
>>>第4回に続く・・・

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※次回の更新は4/20(日)です
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