自分の中に、何かを「怖がっている私」がいるとき、
さまざまな出来事や特定の状況などの刺激に
自分でも思いもよらない反応が出てしまうことがあります。

そんなときは、まず「私自身」のことを理解していくこと
から始めていくといいと思います。

何を怖いと感じるのか?どうして怖いと感じるのか?
自分で自分を縛り付けてはいないか?など
自分がまだよく解っていない自分はたくさんあるんですね。

そして一番大切なことは1人でやろうとしないことです。
信頼できる誰かと一緒にじっくり取り組んでいきましょう。

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2月15日に【無料相談コーナー】へお寄せいただいたご相談への近藤からの回答になります。
みなさんの今の問題と向き合うためのヒントになれば幸いです。


今回のご相談

「視線恐怖症」 : ジャンル(対人関係・友人関係)

(回答本文は以下をご覧ください。)



タイトル
視線恐怖症
相談者名
ドリア
高1女子です。視線恐怖で悩んでいます。
中学三年の時黒板を見る時視界に入る隣の人に自分の視線が伝わるのではと恐怖に襲われ相手にそれが伝わってしまい苦しい日々が始まりました。その思い込みはエスカレートし誰にでも症状がでるようになりました。高校に入ってからは人の視線が怖くなるようになりました。例えば前の人が振り向く時勿論私を見ていないとわかっているのにビクッとしてしまうのです。それが相手に気付かれこちらを見れなくさせてしまったり恐怖心を抱かせてしまいます。隣の人が気になっていたのが今度は先生が振り向く時まばたきをする事に恐怖を感じるようになりました。これも伝わってしまいます。思い込みだというのはわかっているのですがどうしてもダメです。特定の状況を気にしなくなっても対象が変わるだけで心の状態は常に恐怖に怯えているのです。根本は中学生の時人に好かれようと間違った努力をした事だと思います。常に自己否定をし自分は好かれない人間だと思っているのかもしれません。気が強そうな子に症状が酷くなります。嫌われてしまう。と過去のトラウマがあります。本当はみんなと楽しく付き合いたいですがムリなのでしょうか。
カウンセラー
近藤あきとし
ドリアさん はじめまして。
カウンセラーの近藤あきとしと申します。
どうぞよろしくお願いいたします。

視線恐怖というのは、周りに自分の苦しみが伝わりにくいことや
伝えたとしても自分が感じているほどの苦痛やしんどさが
なかなか分かってもらえないことが多いと言われています。

もしかするとドリアさんも誰にも相談できずに悩んでこられたのかな?
勇気を出して相談を送ってくださってありがとうございます。
少しでもドリアさんの心が楽になって、お悩みが解消に向かうように
回答をさせていただきますね。


さて、ご相談を読ませていただいて感じたことですが
恐怖・恐れという感情が一つの重要なポイントのようですね。

視線恐怖ということですから、感じている感情の一つに
恐れという感情を感じているわけですね。

ところでドリアさんは、どうして恐れを感じているのでしょう?
例えばドリアさんが目の前の人の視線を感じた時に

「なんだかこの目は私が何を言っても受け入れてくれそうだなあ。」
「すごく優しい目で見てくれているなあ。」

そんな風に相手の視線を感じていたとしたら、視線に恐れを感じることはないと思うんです。

自分にとって嬉しい気持ち、安心する感じがする時には恐れは出てこないですよね。
だとすると、恐れを感じる場合には今言ったのとは真逆のイメージを
自分自身に対して持っているのかもしれません。

私って誰にも受け入れられないんじゃないか?という感覚を感じていたら、
恐れや、さみしさや、自己嫌悪が出きます。

「みんなに私のダメなところばかり見られている気がする。」
「私のこと変な人だと思っているにきまってるわ。」
「ほんとの私を見られたら嫌われてしまうから、良い人の部分だけ見せてないと」

こんな視線だったら怖くてしかたありませんよね。


ドリアさんの場合、
現実に誰かに嫌われたり酷いことを言われたことが恐怖なのではなくて、
誰かに嫌われるんじゃないか?酷いことを言われるのではないか?
という「予想・イメージ」を先に立てているように思われるんです。

実はそれが恐怖の起点になっている、としたらどうでしょう?
「予想」しただけ、「イメージ」しただけであれば問題はありません。
まだ頭の中で想像しただけですからね。

しかし、そのイメージが「現実」と区別がつかなくなってしまうと
「私は嫌われるかもしれない」が「私は嫌われるにきまっている」に
変化してしまうんですね。そして今度はその思い込みをベースに
人間関係を捉えてしまうんです。

そうなった時に、頭の中に浮かんだ「予想・イメージ」に対して
恐怖をダイレクトに感じるようになるのです。

この種の恐れというのは、過去の経験、過去の心の痛みがルーツとなり、
違う状況・違う相手なのに恐れが出てくる場合と、自己嫌悪を周りに投影して、
きっと相手も自分をよく思ってないだろうと思い込んでしまう場合と、
またはその両方が影響していることが可能性として考えられます。


> 根本は中学生の時人に好かれようと間違った努力をした事だと思います。
常に自己否定をし自分は好かれない人間だと思っているのかもしれません。
気が強そうな子に症状が酷くなります。嫌われてしまう。と過去のトラウマがあります。

メールにも書いてくださったように、これは思い込みであることに
ご自身も気づいていますよね。とても冷静に捉えていると思います。

おそらくドリアさんはとてもまじめで正直で物事をキチンと考えて
答えをだして行動する人なのだろうと思います。そして人を傷つける
ようなことは決してしたくない人なんでしょうね。

ただ今回に関してはそれが自分自身を苦しめてしまっている気がします。
「ちゃんとしなきゃ、キチンとしなきゃ」という気持ちが強すぎて
「もっと頑張らないとダメ!こんなんじゃ誰も認めてくれない!」
という自己攻撃をしてしまっているようです。

ドリアさんが好かれたくて努力をしていたということは
本来の自分には魅力や才能がない、だから誰も好きになってくれない
という自分への評価があったからでしょうか?

もしかしたら周りからどう見られているかが、とても気になって
いたのかもしれませんね。あるいは評価や体裁を気にかけていたり
人に迷惑をかけていないだろうかという気持ちが強すぎたり。
ひょっとするとそういった傾向自体がドリアさんの今の悩みを
作っている可能性も考えられます。

まずは専門家(お医者さまやカウンセラー)の話を聞いてみることをスタートにするといいと思います。

それから自分自身のことを少しずつ理解していきましょう。
上に書いたような、何を怖いと感じるのか?どうして怖いと感じるのか?
自分で自分を縛り付けてはいないか?など
自分がまだよく解っていない自分はたくさんあります。
その為の努力を誰かと一緒にじっくり取り組んでいきましょう。

ドリアさんの中の「恐がっている私」が納得して安心を感じられるように。

今回はご相談ありがとうございました。


近藤あきとし





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